映画「エアベンダー」から四大元素思想と少林拳の種類をみてみよう

映画「エアベンダー」から四大元素思想と
少林拳の種類をみてみよう

アメリカで人気のテレビアニメ「アバター伝説の少年アンが映画になりました。それも実写版での撮影だったので、役者も太極拳の動きがしっかりできるようにテコンドーの黒帯の役者が抜擢されています。四大元素「気・水・土・火」がモチーフになっているので、四大元素とそれに関連する少林拳や太極拳などの種類もかなり豊富にあるので詳しく見ていきましょう~!予備知識を深めると、もっともっとテレビアニメも映画も楽しめます。

陰陽思想と五行思想、そして四大元素思想

エアベンダーでは「四大元素思想」がベースになっています。「土」「水」「空気」「火」が四大元素で世界の物質はこの四大元素で成り立っているという考え方で古代ギリシャ・ローマ・イスラム世界や18世紀から19世紀にヨーロッパで支持されたことから西洋思想とも言われいすが、古代のインドにもこの四大元素と同じ考え方があります。それと比較して思想にあるのが「五行思想」です。「五行思想」は古代中国にある自然哲学の思想で、万物は「木・火・土・金・水」の5種類の元素から成っているという考え方です。

五行思想

根底にあるのは5種類の元素は「互いに影響を与え合い、その生滅盛衰によって天地万物が変化し、循環する」という考えになっていますが、一説によれどうして5つの元素としていたのかというと、その当時の中国で、5つの惑星が観測されていたためだといいます。その当時から知られていた「惑星」の、水星・金星・火星・木星・土星の呼び名はは五行に対応しています。

五行の概念

5種類のエレメント(基本要素)として「木・火・土・金・水」の元素が自然現象に相互作用を与えるというだけではありません。変化の中でも5種類の状態・運動・過程といった捉え方もされています。その他に、政治体制・占い・医療・自然周期といった概念の捉えかたもされています。

  • 木:木行・・・春の象徴で、木の花や葉が幹の上を覆っている立木が元になっています。樹木の成長や発育する様子を表します
  • 火:火行・・・夏の象徴で、光り煇く炎が元となっていてます。火のような灼熱の性質を表します
  • 土:土行・・・季節の変わりの象徴で、植物の芽が地中から発芽する様子が元となっています。万物を育成・保護する性質を表します
  • 金:金行・・・秋の象徴で、土中に光り煇く鉱物・金属が元になっています。金属のように冷徹・堅固・確実な性質を表します
  • 水:水行・・・冬の象徴で、泉から涌き出て流れる水が元となっていて、これを命の泉と考え、胎内と霊性を兼ね備える性質を表します

五行と付与される性質

五行には「相生(そうじょう:そうせい)」「相剋(そうこく)」「比和(ひわ)」「相乗(そうじょう)」「相侮(そうかい)」といった性質があります。

  • 相生:そうじょう、そうせい・・・相手を助け生み出す、陽の関係です
  • 相剋:そうこく・・・相手を攻撃して滅ぼす、陰の関係です
  • 比和:ひわ・・同じ気が重なり、さらに強まる関係ですが、良い場合はますます良くなりますが、悪い場合にはますます悪くなります。
  • 相乗:そうじょう・・・過剰な相生と相剋関係をいいます
  • 相侮:そうかい・・・侮るという言葉通り、相剋の反対で、相剋関係が反転した状態です。

陰陽思想

この思想は森羅万象(しんらばんしょう)といった無限の空間と時間の広がりや、宇宙に存在する全てのあらゆるものをいろいろな観点から「陰」と「陽」というふたつのカテゴリーに分類思想です。「陰」と「陽」はお互いに対立する属性を持った「気」で、その「気」が万物の生成消滅という変化をもたらすという思想です。

この陰陽思想では最初は混沌としたカオス状態だと考えて、混沌とした中から光に満ちた明るい澄んだ「気」、つまり「陽の気」が上昇していき天となって、重く濁った暗黒の「気」、つまり「陰の気」が下降したことで地になったという考えです。「陽」と「陰」というふたつの「気の働き」で万物の事象を理解するだけではなく、将来も予測(占い)してみようというのが陰陽思想になります。

陰陽思想では、陰が悪ではなく陽が善でもありません。その点が善悪二元論とはまったく違っています。陽は陰があって、陰は陽があってそしてはじめて一つの要素となるという考えです。もともと陰と陽は天候と関係する言葉でした。そのため、「陰」は曇りや日影で、「陽」は日差しや日向の意味として古書の『詩経』などでも表れています。

孔子が編纂したと伝えられている歴史書の『春秋左氏伝』の中に、昭公元年:紀元前541年に天の六気として書かれているのが「陰・陽・風・雨・晦・明」となっています。ここで陰陽は寒暑の要因と考えられていて、また昭公四年:紀元前537年には「陰・陽・風・雨」が、気候の要因として季節を特徴づけるものとして扱われています。さらに法家の書物の「管子」の幼官では、明確に四季の気候が変化する要因として、春の燥気・夏の陽気・秋の湿気・冬の陰気といったことは寒暑の原因とされと四季が変化する要因として扱われています。そしてこれららがやがて四時の「気」を統轄する上位概念となって、さらには万物の生成消滅といった変化全般を司る概念となり、万物の性質を「陰」と「陽」の二元に分類するという概念へと昇華していったのだと考えられています。

陰陽思想の特徴

  • 陰陽互根・・・陰があれば陽があって、陽があれば陰があるように、お互いが存在することで己が成り立つ考え方です。
  • 陰陽制約(提携律ともいう)・・・陰陽がお互いにバランスをとるように作用します。陰虚すれば陽虚して、陽虚すれば陰虚します。陰実すれば陽実して、陽実すれば陰実します。
  • 陰陽消長(拮抗律ともいう)・・・リズム変化で、陰陽の量的な変化です。陰虚すれば陽実して、陽虚すれば陰実します。陰実すれば陽虚して、陽実すれば陰虚します。
  • 陰陽転化(循環律ともいう)・・・陰陽の質的な変化です。陰極まれば陽極まって、陽極まれば陰極まります。
  • 陰陽可分(交錯律ともいう)・・・陰陽それぞれの中に、様々な段階の陰陽があります。陰中の陽、陰中の陰、陽中の陰、陽中の陽です。

四大元素思想

エアベンダーの原作はアジアがテーマになっているのでおそらくインドの四大元素思想だと思われます。西洋で支持された四大元素が支持されたのは、アリストレスの説の方です。現代も良く知られているのは、古代ギリシャの自然哲学者のエンペドクレスが唱えた説の方です。四大元素説を一番最初に唱えたのは、古代ギリシャのエンペドクレス説のほうです。そしてその説はソクラテスの弟子でアイリストレスの師にあたるプラトンが引き継がれました。プラトンはエンペドクレスの考えとは違っていて、元素は複合体で分解できまた相互転換すると考えました。プラトンの弟子にあたるアリストテレスは、プラトンの元素論を批判していますが、四元素の相互天下という考え方を受け継いでいます。

インドの四大元素思想

インドでは紀元前5世紀頃に、アーリア人の定住地域が拡大したことで、他民族との混血そして文化面でも混合が進んでいきます。そしてヴェーダの権威を無視した自由な思索が行われました。ブッダに先行するこのような思想家たちは、仏教側からは異端とみなされ6人の思想家だったので「六師外道」や「六十二見」などと呼ばれています。

世界が多元の要素の集合から構成されている。という思想は、インドでは積集説のアーランバ・ヴァーダと呼ばれていますが、その先駆けとして四元素の「地・水・火・風」の他に「苦・楽・霊魂」という要素を組み入れて7つでのパクダ・カッチャーヤナの要素集合説が見られています。

「六師外道」のひとりに、アジタ・ケーサカンバリンごいう釈迦と同じ時代の思想家がいますが、彼は四元素説を唱えていました。世界を構成するものは四元素以外にはなく、死によって元素は四散して、人間は無となる。霊魂はなく、来世もなく、父母もなく、有徳の師もなく、善悪もなく、業もなく因果もなく、布施も祭祀も供儀も無意味だと主張しました。そしてヴェーダに示されている正統バラモン教でのアートマン(我・真我)さえも否定していたものなので、当時のインド的に最も重要視されたカルマの報いについても、霊魂の行くべき道を示した業のはたらきや、善悪の行為の報いを完全否定しました。彼の哲学としては唯物論で、認識においては感覚論、道徳を否定して現世での享楽だけを肯定することから、快楽主義に分類されます。

4世紀から5世紀頃のヴェーダの権威を認める6つ有力な正統学派の「六派哲学」のひとつで、厳密な二元論の立場に立つサーンキヤ学派では、精神原理プルシャ(神我、自己)と物質原理プラクリティ(自性、原質)を根源だと想定しました。根本原質プラクリティの展開がすることで世界が形成されて、物質は根本原質プラクリティから展開した、五大からなると主張しました。この五大には、「五粗大元素」といって「四元素と虚空」からなると主張しました。

六派哲学のひとつで、一種の自然哲学とも見なされるヴァイシェーシカ学派は、集積説を代表としていますが、多言論的世界観を展開していて、世界を分析するのに6つのパダールタ(六句義)をつかいました。それは「実体:実」・「属性:徳」・「運動:業」・「普遍」・「特殊:異」・「内属:和合」の6つのパダールタです。そして実体、」は四大と虚空、時間、方角、アートマン(我)、マナス(意)からなっていて、四元素は原子からなると考ていました。